兵庫県民芸協会 会長　前野 直史　

長引くコロナ問題の中でなかなか協会活動も計画を立てにくい状況ではありますが、それでも様子を見ながら様々なイベントなども再開され始めています。当協会といたしましても多様な活動を手探りしております。今回はまずはこのひさしぶりの勉強会を開催いたしますので、お知らせいたします。

　ただいま中之島香雪美術館で開催中の特別展「陶技始末 河井寬次郎の陶芸」を先日見てまいりました。展覧会タイトルの「陶技始末」はかつて河井寬次郎が各地の窯場を巡り、その見聞を独特の温かい眼差しで書き留めて『工藝』に連載していた折の文章のタイトルでもあります。（これは後年に文化出版局より『陶技始末』として一冊にまとめて刊行されました。）

　本展では河井寬次郎の仕事の最初期のものから晩年のものまでを三期に分けて紹介するとともに、この民藝運動の中で出会った民藝品や各地の窯場での見聞とその自作品への反映なども検証するような興味深く学べる展示でもあります。

　さらに特筆すべきは、本展出品作品のうちの約半数近くを今まで一般公開されたことのない作品が占めていることで、河井寬次郎の仕事とその背景を学ぶことが出来るまたとない良い展覧会だと思います。

　また、今回は特に鑑賞前に美術館担当者による作品解説もお願いいたしました。会員同士が顔を合わせることが出来るひさしぶりの機会でもあります。この勉強会には会員とご同伴のご家族ご友人などもゲスト参加していただけますので、どうぞお誘い合わせの上ふるってご参加ください。